愛情の鎖

ーーー…


それからどのぐらい経ったのか、重い目を開けるとなぜか私は見知らぬベッドの中だった。


ーーあれ?

ぬくぬくと異様に温かい。

もしかして宗一郎さんが帰ってきたの?

でもなんだか嫌な予感がする。

体に何かが巻き付いてる感じがして、恐る恐る寝返りを打ってみると…


「えっ?」


そこには宗一郎さんではなく、コウさんがいた。


えっ!?

ええっ!!?


寝ぼけながら思わず目をこすってみたけど、目の前の状況は何も変わらない。むしろコウさんの姿は濃くなっていくようで…


「な、何で!?」


どうして同じベッドで寝てるの!?

口をあんぐりしながらこうなった経緯をアワアワと考える。

とりあえず2人とも服は着ているようでホッと胸をなでおろす。

そしてあまりの衝撃に一瞬で頭がクリアになっていき、次第に記憶が戻ってくる。

確かあの後、私はコウさんに言われた通りアイスを食べたんだ。

それが無性に美味しくて、気づけば2本目もペロリと食べあげていた。

そしてそれから、どうしたんだっけ?


「あ、そうか」


コウさんちのソファーがあまりにも座り心地がよかったから、そのままテレビを見ながらまったりしちゃったんだ。

そのうち心地よい眠気に襲われて、それからの記憶がプツリと途切れてる。


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