愛情の鎖
大好きな両親のため。
まだ幼い可愛い妹のため。
私さえ我慢すれば全てが元どおりになる。そう思って私は未来を捨てた。
それからというもの私は「妻」とう肩書きのもと、澤田宗一郎に飼い殺しにされている。
とはいえ、別に私は彼から横暴な扱いを受けているわけでもない。
むしろ彼は私には優しい。
優しぎるほどの態度で私を甘やかし、こうして毎朝仕事から帰ってきては狂ったように私を求め、そして抱くのだ。
まるで俺の所有物だとように。
彼は私をいやらしくいたぶり、そしてトロトロに甘やかして満足そうに眠りにつく。
その度に私は苦痛という快楽に溺れ感情を捨て、こうして空っぽの体で立っている。
けれど…、慣れってのは怖い。
好きでもない男に抱かれてもちゃんと体は反応する。
下半身はちゃんと濡れ、快楽を嫌というほど感じるのだ。
それが自分の意に反していても。
例え毛嫌いしている男でも。
けっして愛情のない相手でも、今こうして彼に笑顔を向けられていることに自分で自分を褒めてあげたいくらいだ。