愛情の鎖

部屋に戻ると、一目散にトイレに駆け込んだ。

気を抜いた途端、私はドアに背を当てたままズルズルとその場にしゃがみこんでしまう。


わ、たし……

頬が紅潮する。

捕まれた腕がじんじんと熱をもつ。

体が火照るように、熱い。

どう、しよう…

この感情を私はよく知っていた。


…友達、なんかじゃない。

私が求めるコウさんへの思い。

気付きたくないのに気付いてしまった。

それは昔、幼馴染みの慎ちゃんに抱いていた淡い恋心そのものだ。



「好き」



友達としてではなく、ましてや何でも話せる隣人としてではなく。コウさんが、好き……


どう、しよう…

わたし、私は、一人の男の人としてコウさんに惹かれてる。









ーーー…

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