愛情の鎖
「…っ……」
自分の気持ちに気付いた時、私はトイレの中でわんわん泣いた。
自分でも驚くほど、滝のように流れてくる涙。
気付きたくなかった。
けれど、一度気付いた気持ちは取り消せない。
どうして気付いちゃったんだろう。
こんな気持ち、気付いたって苦しいだけなのに。
好きになったって、どうすることもできないのに。
こんな感情酷すぎる。
一生報われない恋を目の前にして、私はこれからどう笑っていけばいいのか分からない。
ショックだった。
思った以上に大きなショックに、苦しいほど胸が締め付けられる。
宗一郎さんがいる限り、私に恋なんてする資格なんてない。
この先にあるのは愛してない人との暗く、寂れた生活だけなのに。