愛情の鎖

コウさんのマンションに来て一ヶ月が過ぎた。

朝はコウさんより早く起きて朝食を作り、昼間は仕事に行く彼を見届けると部屋の掃除をしたり、自分なりにやれることをやっている。

コウさんは警察のお仕事でちょくちょく家を空けることはあったが、毎日じゃなかった。
基本私の警護も兼ねてるのか、だいたいは私と一緒にいてくれた。

とても穏やかな日々だった。

今までの宗一郎さんとのあのどんよりとした生活とは比べ物にならない。

コウさんは相変わらずぶっきらぼうな口調だったけれど、私に向ける視線や態度は前より優しい。

むしろアワアワするほど甘い空気を見せつけられる時があって、正直戸惑うほどだ。

そうなると自然と私の心も癒されていく…

この一ヶ月でかなり自然に笑えるようになったと思う。

まだ半分ぐらいの不安はあったものの、彼との生活はすごく楽しかった。

宗一郎さんとの生活を思い出すと、あの日々がいかに苦痛だったのかをまじまじと痛感する一時でもあった。

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