愛情の鎖

「……ダメ?」

「バカ、あんま煽んなよ…、この風邪っぴき小悪魔が」

「だってさっき看病してくれるって言ったのはコウさんでしょ?」

「アホか、キスだけで終わらなくなったらどうすんだよ」


珍しくコウさんが困惑した顔をしてる。

私の鼻を摘まみ、眉間に眉を寄せてるけど、なかなかの動揺っぷりだ。

それが妙に可笑しい。なんだか無性に可愛く思えちゃって、


「コウさんなら何されてもいいもん」

「……」

「コウさんにもっと触れて欲しい。てか私が触れたいんだもん」


自分でも大胆発言をしてしまった。
だけど嘘じゃない。

思わず照れながらコウさんを見つめると、逆ににまじまじと見つめられてしまった。
その顔はドキリとするぐらいかっこよくて、


「…好き……」


無意識にそう呟くと「ふっ、アホが」とめちゃくちゃ優しい表情を返された。
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