愛情の鎖
ピンポーン…
すると突然来客を知らせるインターホンが鳴った。
えっ、誰だろう…
もしかして西田さん?いや違うか、今日は確かコウさんと一緒だと言っていた。
どうしよう…
私が出てもいいんだろうか?
そう悩みつつ続けて鳴り響くインターホン。唯さんはまだ電話中だし、とりあえず通話を押して誰が来たのかを確認をした。
「こんにちは、佐川急便です。真白晃一さん宛に小包が届いてます」
「あ……」
なんだ宅急便かぁ、少しホッとする。とりあえず見た感じもちゃんと宅配業者の制服は着てるし大丈夫そう…かな?
そう思った私は色々考えた末、オートロックを解除した。
そして数分後、バッグから取り出した携帯電話を羽織っていたパーカーのポケットに入れて玄関の扉を開けた。
「こちら真白晃一さんのお宅で間違いないですか?」
「あ、はい」
そう言って現れたのはインターホン越しで見た宅配業者の人。
深めに被っているキャップのせいで顔はよく見えなかったけれど、20代後半の女の人だ。
「じゃあこちらにサインを…」
小包とボールペンを受け取った瞬間、お姉さんの口許が若干歪んだような気がした。
そして次の瞬間…
「ふっ、悪く思わないでよ」
突然目の前にスプレーみたいなのをかけられて、私の視界はそこで暗闇に包まれた。