愛情の鎖
ソファーに寝ころされていたけれど、多少の寝起きぐらいはできる。だけど私はそこから移動することができない状態だ。
途端顔が青ざめた私は力を入れてなんとか体だけを起こした。
「どうして……」
「だいたいお察しがつくんではないでしょうか」
遠藤さんはいつもの柔らかな笑みでにこりと笑う。
私はそれを見つめながら、何で今自分がこうなってるのかを出来る限りの思考を働かせて考えてみた。
…あっ……
「…わ、たし……」
「どんな時でも油断は大敵ですよ」
そんな囁き声に私は失意で体を強張らせる。
どんどん青ざめていく私に対して目の前の遠藤さんは不気味なほど爽やかだ。
「やっぱり遠藤さんって…、宗一郎さんの仲間だったんですね」
人は見かけによらないって本当だ。
以前からきっと宗一郎さんと繋がってはいるんだろうなとは思っていたけれど、実際それを目の当たりにすると結構なショックだ。
いつも穏やかな表情で挨拶をしてくれていた遠藤さん。
心のどこかではこの人はたぶん私に対して危害を加えることはないだろうと思っていたから…