愛情の鎖

「私をどうするつもりですか?」

「安心してください。わたしはあなたに危害を加えるつもりはありませよんよ。あくまでも見張りですので、あなたがへたな抵抗をしないかぎりこうしてまったりしているだけです」


それってつまり…、私が逃げ出そうとしたら何かするってこと?
ゾワッと鳥肌が立った私はあからさまに警戒心を固くする。


「どうしてこんな…っ、何もここまでしなくても、これも全部宗一郎さんの指示なんですか?」

「すべてお察しの通りだと思いますよ。梨央さん、あなたずいぶん厄介な人を怒らせてしまったようですね。正直可愛そうですがこうなった以上覚悟を決めてください」

「そんな…っ」

「もうじき彼はこちらに着くと思います。それまでにはどうか心の準備をなさった方が…」

「えっ……」


サーっと血の気が引いていく。

宗一郎さんがこっちに向かってる?あの人が此処に…

想像した瞬間自分の最後の結末が見えた気がした。
いよいよ殺されるかもしれない。彼を裏切った私をどうしたって宗一郎さんが許してくれるはずがないのだから…
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