愛情の鎖

「…コウさっ……」


自分の愚かさを痛感した。

どうしてあの時自分の判断で勝手に玄関を開けてしまったのか、今更後悔しても遅いのに後から後から後悔の悲しみが押し寄せてくる。

今頃きっとコウさんは私を探してる。そして勝手な行動をした私を怒ってるのかもしれない。
唯さんだってきっと私の安否を心配して…



「…っ……」


そう思うと極度の不安で涙が込み上げてくる。

そうだ、携帯は?

確かあの時パーカーのポケットに無造作に入れたはずなんだけど、なぜか今羽織っているパーカーのポケットには携帯電話が入ってる重みを感じない。

しかも何か入っている膨らみすら分からなくて、私は動けないと分かっていても思わず右腕をごそごそと動かしてみる。


「ああ、言い忘れましたがあなたが持っていた携帯電話はこちらでしっかり預からせていただきました。ついでに彼にもちゃんと警告はしておきました。きっと今頃血相を変えてあの刑事もこっちに向かってきてるかもしれないですね」

「えっ……」


コウさん!
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