愛情の鎖

もう目の前が真っ暗になった。

この後どんな状況が待ち構えてるかと思うと、恐怖と不安でガタガタと体が震え出す。


「さっきから落ち着かないようですね。もしよかったらハーブティーでも飲みますか?まぁ、気休め程度にしかならないと思いますが」

「ふざけないでっ」


こんな時によくそんなことが言えたものだ。

キッと遠藤さんを睨み付けたものの、私には何の攻撃力はない。むしろどんどん状況は悪化しているようで、


「わたし…、殺されるの?」

「それは自分には分かりかねます。ただ言えることはわたしはあなたを監視するように言われてるだけですので。あなたが今此処で下手に騒いだりしなければ悪いようにはしませんよ」

「………」


あくまでそういう立ち位置なわけね。

そもそもこんな風にがっちり拘束されていたら逃げるものも逃げ出せない。

さっきからにこりともせず、冷静さを崩さない遠藤さんに再び失意の底に突き落とされる。

見渡せばやたら古びた一室。どこかの倉庫か廃墟のような場所だ。

私が座っているソファーもボロボロで、粗大ゴミに出してもおかしくないレベル。此処が何処かは分からないがきっと宗一郎さんが所持している危険な場所なのかもしれない。
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