愛情の鎖

「いい大人が逆恨みをしてバカじゃないの。自分の欲しいものが手に入らないからって、これじゃあただ駄々をこねてる子供と一緒じゃない!」

「……何だと?」

「あなたは自分で何でもお金で支配してる強い人間だと思ってるけど逆よ!大間違いよ!あなたはむしろお金に支配されてる傲慢で我が儘なちっぽけな生き物よ!!」

「ーーー」


彼の表情が驚きに満ちた顔に変わった。
だけどもう怯まない。

だっていくら権力があったって、あなたなんか全然偉くなんかない。

羨ましくもない。

むしろお金さえあれば何でも出来ると思ってる可哀想な人だ。


「私はあなたを軽蔑するわ。子供の頃先生に教わらなかった?人の物は取ってはいけません、人を妬み恨んだところで誰も幸せにはなれないってっ」

「やめろ」

「やめないわ!あなたのせいで私や母の人生がどれだけ狂わされたか、もうあなたに支配されるのはたくさんよ!あなたなんか生きてる価値もない。いっそ地獄に落ちればいい!」

「やめろ!」


バシンっ!!

宗一郎さんの平手打ちがまたダイレクトに左頬に当たった。
さっきよりも強い衝撃に瞳の奥がチカチカする。

一瞬意識が遠退きそうだったけれど、このままやめることもできない。
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