愛情の鎖
「殺されてぇか」
「だから殺しなさいよ!!」
こんな人生はまっぴらだ。
いっそのこと殺してくれたら楽になれる。
そう思った直後、私の額にひんやりと冷たい感触がはしった。
それは以前見たこのある似たような拳銃で、周りの空気が一瞬にして凍り付くほどの重圧だ。
「だったらお望み通り、今から殺してやるよ」
「…っ……!」
宗一郎さんの瞳からはもう何の感情も見いだせない。
ただ怒り狂っている。
すべての恨みを私に向かってぶつけようとしてる、そんな殺意だった。
「遠藤、こいつが一ミリも動けないようもっときつくロープで固定しろ」
「……」
「さぁ、コレが最後のチャンスだ。梨央お前にもう一度だけチャンスをやる。俺を愛してるか?いいや愛してると言え。この先も俺の元で一生献身的に尽くすとこの場で誓うんだ!」
背後から遠藤さんの気配を感じる。
ゴクリ、唾を飲み込むと遠藤さんがごそごそときつく私の腕を縛り上げてくる感覚がした。
……?だけどそれは一瞬で、
「そこまでだ!」
その声と共に目の前の扉がバンっ!と激しくこじ開けられた。
そこへ視線を合わせると、威勢よく駆け込んできたコウさんの姿が瞳に飛び込んでくる。