愛情の鎖
「澤田宗一郎、ずいぶん威勢がいいようだがそこまでだ。今すぐに梨央を解放しろ。じゃなきゃ代わりにお前の頭がぶっ飛ぶことになるぜ」
駆けつけたコウさんが、宗一郎さんと同じように拳銃を持って威嚇する。
そこにはコウさん以外にも他数人の刑事さんがいて、ハッと後に振り返った宗一郎さんが「ちっ」と舌打ちをかます。
「下手な抵抗はやめろ」
「ちっ、目障りな奴が揃いも揃って……、こうなったら刑事だろうが何だろうが容赦はしねぇ、俺がこの手で全員始末してやるよ」
「始末されるのはお前だろ」
「黙れっ!!」
宗一郎さんの怒り狂った声が部屋中に響き散る。
だけど、そんな威嚇にもまったく動じずコウさんがふっ、と鼻で笑いながら距離をグッと縮めてくる。
「そろそろ年貢の納め時だ。観念しろ。お前が今までやってきた悪事の証拠は全てこっちで押さえてある。もうお前は終わりなんだよ」
「っるせー」
「そこにいる梨央をこっちに返して貰おうか!」
「ぁあ?梨央は俺のだ!お前みたいなグズ野郎にはぜってー渡さねぇー」
「コウさっ……」