愛情の鎖
「次は外さねーから覚悟しろ」
「あ?次、があるならな」
「なんだと?」
なのに、そんな切羽詰まった状況にも関わらず、コウさんは顔色一つ変えなかった。
まさに肝がすわってるとでもいうのか、彼から発せられる言葉には余裕の貫禄さえ見受けられた。
「けっ、威勢が良すぎてヘドが出るぜ。でもな、もう終わりにしよーや、澤田。どんなにあがこうがお前はここで俺にねじ伏せられる運命なんだよ」
コウさんがそう言って再び宗一郎さんに銃口を向ける。
まさに一発触発。その緊張感は半端ない。
「分かったら、今すぐ梨央を解放……」
「遠藤、梨央をこっちに連れてこい!」
えっ……
突然宗一郎さんによって、そんな指示が発せられた。
ビクリ、私に再び緊張がはしる。
「いや、そんなまどろっこしいことはもう無しだ。お前が今すぐその女を始末しろ!」
「…っ……!!」
「どうせ手に入らねぇならもういらねぇ!いっそ殺して俺もこのまま死んでやるよ!」