愛情の鎖
「むしろ俺はあんたみたいな金に小汚ない傲慢な野郎が大嫌いなんでね。お前みたいに欲と本能だけに生きてる男を見ると無性に叩きつけたくなるんだよ」
「き、さまっ」
「なぁ、晃一、お前もそう思うだろ?」
そう付け加えられて、私も宗一郎さんもハッとした。
今、晃一って、
まさか、遠藤さんって…
「あぁ、同感だな。つーよりそんな質問は愚問だ」
にやり自信満々に口元を上げたコウさんに、私の疑念が確信に変わる。
「まさか、お前らっ」
「ふっ、澤田、偉そうなこと言ってる割に案外大したことねーなぁ、敵と味方の区別もつかねーなんて、所詮お前はそれっぽちの器だってこどだ」
「くっ…」
宗一郎さんの眉間に皺が深く入り込んでいく。
目を鋭く細め、これでもかってぐらい全身から怒りを醸し出している。
こういうのって飼い犬に手を噛まれるっていうのだろうか?
そんな状況を直視しながら、私だって驚きと戸惑いを隠せない。