愛情の鎖
まさか、遠藤さんがコウさんの仲間だなんて…
「ふざけんな!ちくしょー!!」
その時、怒りの頂点に達した宗一郎さんが声を上げた。
そしてその瞳は再びコウさんに向けられ、もう一度何のためらいもなく彼に向かって拳銃を突きつける。
「こうなったらお前だけでも俺が息の根を止めてやるよ!梨央は渡さない!!」
あくまでも標的はコウさんなんだ。そして私とコウさんを一緒にさせたくない。引き離そうとしている。
彼の歪んだ愛情はどこまでも終わらない。
「やれるもんならやってみろよ」
だけどコウさんだって負けてはいなかった。
宗一郎さんに向かって拳銃を向け、意思の強い覚悟で宗一郎さんに立ちはだかっている。
そして再び緊迫した空気が流れ込むと、次の瞬間パァンと2つの激しい音が廃墟内に容赦なく鳴り響いた。
その光景に私や周りの空気が一瞬にして凍り付く。
「コウさっ……」
「ってぇ…!」
だけどその声とともに崩れ落ちたのは宗一郎さんの方だった。
手元から拳銃が飛ばされ、腕から血を流した彼が顔を歪ませて膝をつく。