愛情の鎖
「澤田宗一郎、お前を逮捕する!」
…………えっ?
「だから往生際が悪いって言ってんだよっ」
コウさんが、宗一郎さんが手にしようとした拳銃を勢いよく蹴り上げる。
周りには数人の大人達がいて、拳銃を手にし、取り囲むように宗一郎さんに向かって突き付けている。
よく見るとその人達は先程遠藤さんのバックにいたサングラスをかけた強面のお兄さん達だ。
「…くっ……」
「…うそ……」
それを目の当たりにして、私は大きな衝撃を受ける。
まさか、この人達全員…
「これで本当に終わりだな。残念だったな、お前がどんなに足掻こうがここにはお前の味方なんて一人もいねぇんだよ!」
「くっ……」
まさにコウさん達の圧勝。
信じられない。ここにいた人達が皆コウさんと同じ刑事さんだなんて。
悔しそうに何も言葉にできない宗一郎さんを見て、ようやくこの襲撃に終わりの光が差し込めたんだと気付く。
そしてガチャンーー…
「16時50分、薬売人木元英介殺人、及び覚醒剤所持、並びに銃砲刀剣類所持の容疑でお前を逮捕する」