愛情の鎖
「いや〜、本当に仲いいんだね。息ピッタリじゃないか。晃一にここまで対等に意見を言えるなんて、なかなか新鮮でいいよ」
「本当よねぇ」
唯さんも納得したように笑ってる。
そんなやり取りに私の顔はさらに赤く染まっていく。
「もう、唯さんまで…」
「ふふ、でも二人とも冗談抜きでお似合いよ。晃一みたいに普段何考えてるか分からない一匹狼タイプには梨央ちゃんみたいに遠慮せずバシバシ言えちゃう子が合ってるのかも」
「うっせーよ」
「ハハ、納得」
「敦士、こうなったら私達も負けてられないわね。晃一達に負けないぐらい私達も仲良くやりましょ」
「だな」
ふふ、とにこやかに笑う唯さんと松本さん。
その姿はどこから見たって自然で、一瞬あれ?と思考が止まるほど。
だってその姿はとても仲無つまじく、よくいるただの同僚だけという関係とは思えない。
…って、わたしたち?
今そう言った?
「あ、あのっ、もしかして唯さんと松本さんって…」
「うん、気付いちゃった?私達ね、これでも一応夫婦なの」
「えぇ〜〜っ」
驚きの声が車内に響き渡った。
そんな私にニコリと笑う松本さんと唯さん。
うわっ、やっぱり女の勘は当たる!
って、突っ込むとこはそこじゃなくてっ、
松本さんが唯さんの旦那さん!?
夫婦だなんて…、まったく予想もしてなかった事実に私は今までにないぐらいの驚きを隠せない。