愛情の鎖

「コウさん!」

「や、べっ…」


宗一郎さんの取り調べが終わったのかな?

前方から歩いてくるコウさんを目にして、瞬時にパッと表情に花が咲く。

その変わり、私とは対照的に定西田さんの表情が固まり、まずいものを見た素振りに変わっていく…


「お、お疲れ様です。思ったより取り調べ早く終わったんですねぇ」

「ああ、とりあえず今日はな。つーか西田、さっきから喉が渇いてカラカラだ。自販機でコーヒーでも買ってこい」

「…はい!」


うわ、コウさんの目が異様に怖い。

それは西田さんもはっきり分かったようで、斜め左側にある自販機に一目散に掛けていく。


「あ、お疲れ様です」


そんな雰囲気に何故か私もそんな言葉使いに。

チラッと伺うようにコウさんを見れば、何ともいいがたい表情をしながら私の隣へと腰を下ろそうとする。

それが妙に気まずくて、何だかそわそわしちゃったりして。

だけどそれは一瞬、そんな空気を壊すようにコウさんの方から私へ体を労う言葉をかけてきた。
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