愛情の鎖
その日はとても晴天だった。
雲一つない空に、爽やかな気持ちのいい風。
この日、いつにもましてご機嫌そうな宗一郎さんに連れられて、私は翔太の運転する高級車に乗せられていた。
「梨央、眠かったら寝てなさい」
「……うん」
今日は私の誕生日。
宗一郎さんは約束通り私をラーメン屋に連れてってくれるらしい。
昨日から仕事を休みをとってまで私の側にいる宗一郎さん。彼は22才になる私のために朝から誰かに連絡をとったりしていて…
「どこまで行くの?」
「ついてからのお楽しみだ」
「ふ〜ん」
正直自分の誕生日なんてどうでもいい。
むしろ、昨日から四六時中宗一郎さんと一緒にいないといけないことにかなりのストレスになっている。
「今日は梨央にとってうんといい日にしないとな」
「ありがとう……」
思わずため息を出そうになるのを我慢してやんわりと笑う。
どうせなら私を解放してほしい。
それが今の私の最高のプレゼント。
そんな本音をしまい込みながら、私は引き寄せられた頭を彼の肩にそっと乗せた。