愛情の鎖
「梨央が足りない」
「………えっ」
私は目を見開いた。
まさかの展開に口も開けたまま驚愕するしかできない私に、コウさんは驚くほど甘美な顔を向けてくる。
ていうか今、とんでもない爆弾発言が…
「あ、あのっ!」
慌てて声を出そうとしたものの、すぐにまた唇が塞がれた。
コウさんの手が今着たばかりのシャツをスルリと捲り上げてくるから私はたまらずその手を掴むことに成功した。
「ま、またするんですかっ?」
彼のキスから逃れ、真っ赤な顔でそう言えばコウさんの平然とした態度が返ってくる。
「悪いかよ」
「だって、昨日あんなに……っ」
昨夜の情事を思い出して、体が熱く火照る。
正直一度や二度じゃない。何度も交じりあったばかりで私は満足している。というより十分足りている。
「す、すみませんが昨日のでもう十分。私はもう食べれません。お腹いっぱいです!」
きっとこれ以上したら今度はお腹を壊してしまう。
コウさんの食べ過ぎで…