愛情の鎖

しっかりと把握した私はその瞬間、全身に力がはいった。

女将さんの言葉がさらにいやらしく続いていく。


「やっと会いに来てくれたと思ったら、可愛い奥さんと一緒なんだもの。つまらないわ」

「まあ、そう言うなって、それより…例の奴らは来てるのか?」

「ええ、来てるわよ。いつもの部屋に案内しておいたから」

「そうか。分かった。あとで行くからそれまで上手いことやっといてくれ」

「分かったわ。ねぇ、それより……」


あ……

次の瞬間女将さんの腕が艶やかに宗一郎さんの首に絡みついていく。

二人は見つめ合い、そして宗一郎さんが呆れたように口の端を上げると、女将さんがこっちまで魅了されるような笑みをした。


「ご褒美頂戴」

「ああ…」


女将さんからねだるように宗一郎さんへと唇を重ね合わせた。

それはとても自然の流れのように。二人はピッタリと重なりあったのだ。

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