愛情の鎖
翌日、宗一郎さんが出勤した後いつものように屋上に向かうと、そこには珍しくコウさんが先に居た。
「よお」
「どうも」
軽く挨拶を交わすと、私はいつものように備え付きのベンチに腰を下ろす。
特に目を合わさないままぷシューっと缶を開けると、こうさんもまた煙草に火を付ける音がした。
「今日は早いんだね」
「ああ」
「仕事は?」
「久しぶりのオフモード」
「ふーん」
曖昧に返事をしながら私は対して興味がないようにグビグビと喉を潤す。
うーん、美味しい。
やっぱり1人で飲むビールは最高だ。
そんなささやかな鑑賞に浸りながらゆっくりコウさんの方を見ると、確かにいつものスーツ姿じゃない。
白のTシャツにビンテージデニムといったラフな格好。
ふ〜ん。
イケメンはなに着ても様になるから羨ましい。てか、足長いよね〜
なんて感心しながら一息ついてると、不意にこっちを向いたコウさんとバチっと目が合ってしまった。