愛情の鎖
うわっっ!
「はぁーー危なかったぁ」
「梨央、お前運動神経ないだろ」
「なっ、そんなこと……」
あるけど…
たった今おもいっきりコウさんの方へと崩れ落ちましたけど、それがなんでしょうか?
だって、元はと言えば無理やり飛び越えろと言ってきたコウさんが悪いんじゃないの?
「そもそもコウさんの方がこっちに来てくれればよかったじゃない」
そうだよ。その立派な足はなんの為にあるのよ。ムカつくぐらい足が長いんだから、このぐらい楽勝じゃない。
「ふっ、悔し紛れの遠吠えか?」
「違うわよ!」
もーう!相変わらず感じ悪いんだから!
ほんと、やな男!
「口うるさいおっさん」
「あ?」
「はいはいごめんなさいねー。今どきますよーだ」
「ああ、そうしてくれ。お前、もう少し減量したら?」
なんですと!?
今、地雷踏んだよね?
普通ドラマとかでこんなシチュエーションになったら、きっと「キュン…」とかしてときめいちゃったりするんだろうけど、私達にはそれは絶対ありえない。
むしろ逆。コウさんに対しては怒りしか生まれてこないんだもん。