愛情の鎖
実家に着くと、変わらず妹の菜々が嬉しそうに両手を広げて出迎えてくれた。
「お姉ちゃーん!」
「菜々ただいま。いい子にしてた?」
「してたよ〜。菜々ねぇ、この前ピアノの発表会で賞とったんだよぉ」
「へぇ、凄いじゃない!頑張ったね」
「うん!菜々頑張ったの!お姉ちゃんにも見せてあげたかったなぁ」
「うん、見たかったなぁ、また今度ある時教えてね。お姉ちゃん絶対に行くから」
「うん!」嬉しそうに目を輝かす菜々にふわりと心が和む。
やっぱり菜々の笑顔は最高だ。純粋無垢な天使みたい。
そんなほんわかした気持ちのままよしよしと菜々の頭を撫でていると「梨央……」と今度はお父さんがリビングの方から顔を出した。
「久しぶりだな、元気か?」
「…うん……」
「なんだか暫く会わないうちにまた一段と綺麗になったんじゃないのか?」
「う〜ん、お父さんそんはちょっとだけ…老けた?」
「はは」
約半年ぶりぐらいに見る父。なんだか少し痩せた?だけど向けてくれる笑顔は昔とほとんど変わらなくて、ちょっぴり照れ臭くなった。
だって、いつも仕事で家に居ないのに今日は珍しい…
少し得した気分。思わずそんな気持ちになった。