愛情の鎖

「もしお時間があればこちらでティータイムでもしませんか?」そう言って遠藤さんがニコリと微笑んだ瞬間、いつの間にかこっちに近づいてくるコウさんの姿が…


あ…、目が合っちゃった。

まずい……

戸惑う私をよそに何故か仏頂ズラの顔して私達の前で足を止めたコウさんの視線がびしっと突き刺さる。


「こ、こんにちは……」

「ああ」

「もしかして、お二人はすでにお知り合いでございましたか?」

「あ、いえ……」


私は咄嗟に手を横に振る。

コウさんには悪いが、何となく知られたくなかった。

だって、目の前の遠藤さんは裏で宗一郎さんと繋がってる人。余計なことは言いたくない。

そして隣では相変わらず仏頂ズラな顔をしたコウさんが私を見ているからハラハラと、居心地が悪い。


「で、なんのようだ?」

「ですから今からあちらのカフェでティータイムでもいかがでしょうか?専属のスタッフに今からご用意させますので」

「……ティータイム、だと?」


あからさまに眉間に皺を寄せたコウさんにちょっぴりうろたえる私。

いかにも嫌そうな返事。

遠藤さんも遠藤さんだ。なんの意図があって急にそんなことを…

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