僕に勇気をください

次の日、俺はいつものように学校へ行った。

「おい誰か星野知らないかー?」
と、担任が言った。

今朝 靴箱で翼と会ったんだけどな。
でも様子がおかしかった。
いつもの翼じゃなかった気がする。

しかも靴が異常な程汚れていた。

何かあったのか?

いじめ?

翼に限ってそんなことはない...

脳内に昨日の男子の言葉がよぎった。

『明日覚えとけよ?』

まさか 昨日の奴らが翼を...

だから今教室にいないのか?

俺は急いで昨日の奴らのクラスへと向かった。


バンッ!!!!

俺は勢いよく奴らのクラスのドアを開いた。

すると昨日の男子集団の一部が
ドアの近くでたむろしていた。

「お前ら翼に何したんだ?」

「あ、お前昨日の」

「あぁそうだよ。それはいいから翼に何したって聞いてんだよ!!」

「は?俺ら何にもしてねーし」

「しらばっくれんな」

「あ、でもあいつの靴になんかしなかったか?」

「やっぱりお前らか」

「それくらいしかしてねーけど何か?」

「それくらいって...翼が教室に来てねーんだよ!!」

「それがどうした?」

それがどうしたって...こいつら翼をなんだと思ってんだ。

「けんな...」

「あ?なんて言った?」

「ふざけんな...」

「は?」

「次翼に何かしたら許さねーかんな!!!!!」

大切な親友に次何かしたらぜってー許さねー。

「お前俺たちに向かって何言ってんの?」

「は?意味わかんねぇ」

「そんなんでこんな楽しいお遊び辞めれるわけねーだろ?」

「は?」

「これ以上星野に何かしてほしくねーなら...」
「なんだよ」

「一生あいつに関わんな」

「お前ら何言って...」

「いいから関わんなって言ってんだろ!!」

「お前らに何言われよーが、ぜってー無理。」

「わかった。お前は星野がどーなってもいいんだよな。」

「そんな事誰も言ってな...」

「親友の翼くんを裏切るんですね君は~」

やけに苛立つ言い方で言ってきた。

「もういい。翼に指一本触れさせねえかんな。」

「ま、せいぜい頑張れ」


翼に指一本触れさせねぇ。

翼をいじめる奴ぜってー許さねぇ。





今の俺にはこれから何が起きるなど知るよしもない。


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