下町退魔師の日常
「どうした、急に?」
「うん・・・鬼姫退治、付き合わせちゃって」
久遠くんは、祠の扉を開けられる。
まだ実際に開けてはいないんだから、可能性としては、だけど・・・。
それでも、鬼姫退治は久遠くんがいないと、成り立たないんだ。
それは当然、久遠くんを命の危険に晒すって事で。
「何だよ今更」
笑いながら、久遠くんは言った。
最近よく笑顔になるなぁ、久遠くん。
その笑顔を見る度に、あたしも嬉しくなるんだよ。
「お前が一方的に言い出した事じゃねえんだ。俺たちは、同じだろ?」
「同じ?」
「あぁ。鬼姫退治は俺だけじゃ無理。マツコだけでも無理なんだよ。俺たちが一緒じゃないと、成し得ない事なんだ。だから、俺たちは同じだよ」
うん。
そうだよね。
「明日の夜は・・・」
久遠くんは言い掛けて、また星空を見上げる。
そのまましばらく何も言わなかったけど、あたしは久遠くんの次の言葉を、じっと待ってみる。
「明日の夜は、どんな事があっても守ってやるからな」
真っ直ぐにあたしを見て、久遠くんは言った。
あたしは、クスッと笑って。
「何言ってるのよ。戦闘員はあたしだよ。あたしが久遠くんを守る。町のみんなも、この松の湯も」
「どんだけ守るものがあるんだよ、お前」
・・・あ、また笑った。
「前にさ、俺言っただろ。俺は、この町に来て良かったのかって」
「うん・・・言ったね」
「今は、ホントに良かったって思ってる。みんないい人ばかりだし、何気ない日常に一生懸命でさ」
そうだね。
何気ない日常を守るのって、意外に難しい事だったりする。
この町は、鬼姫と魔物の事があるから尚更・・・日常を守ろうと、みんなが日々を一生懸命に生きている。
他の町から見れば取るに足らない些細な出来事でも、例えば普段当たり前に通り過ぎる出来事でも、みんなはその出来事たちに一喜一憂するんだ。
だからこれだけ、絆と繋がりが深い。
だからあたしは、この町が大好き。
それを、久遠くんもちゃんと分かってくれてるんだね。
「うん・・・鬼姫退治、付き合わせちゃって」
久遠くんは、祠の扉を開けられる。
まだ実際に開けてはいないんだから、可能性としては、だけど・・・。
それでも、鬼姫退治は久遠くんがいないと、成り立たないんだ。
それは当然、久遠くんを命の危険に晒すって事で。
「何だよ今更」
笑いながら、久遠くんは言った。
最近よく笑顔になるなぁ、久遠くん。
その笑顔を見る度に、あたしも嬉しくなるんだよ。
「お前が一方的に言い出した事じゃねえんだ。俺たちは、同じだろ?」
「同じ?」
「あぁ。鬼姫退治は俺だけじゃ無理。マツコだけでも無理なんだよ。俺たちが一緒じゃないと、成し得ない事なんだ。だから、俺たちは同じだよ」
うん。
そうだよね。
「明日の夜は・・・」
久遠くんは言い掛けて、また星空を見上げる。
そのまましばらく何も言わなかったけど、あたしは久遠くんの次の言葉を、じっと待ってみる。
「明日の夜は、どんな事があっても守ってやるからな」
真っ直ぐにあたしを見て、久遠くんは言った。
あたしは、クスッと笑って。
「何言ってるのよ。戦闘員はあたしだよ。あたしが久遠くんを守る。町のみんなも、この松の湯も」
「どんだけ守るものがあるんだよ、お前」
・・・あ、また笑った。
「前にさ、俺言っただろ。俺は、この町に来て良かったのかって」
「うん・・・言ったね」
「今は、ホントに良かったって思ってる。みんないい人ばかりだし、何気ない日常に一生懸命でさ」
そうだね。
何気ない日常を守るのって、意外に難しい事だったりする。
この町は、鬼姫と魔物の事があるから尚更・・・日常を守ろうと、みんなが日々を一生懸命に生きている。
他の町から見れば取るに足らない些細な出来事でも、例えば普段当たり前に通り過ぎる出来事でも、みんなはその出来事たちに一喜一憂するんだ。
だからこれだけ、絆と繋がりが深い。
だからあたしは、この町が大好き。
それを、久遠くんもちゃんと分かってくれてるんだね。