恋のスパイス
「あーんやっぱ彩の笑顔は可愛すぎ♡」
「ぐぇっ」
舞歌が興奮して彩に抱きついた。
全く毎回おなじみのよーに抱きつくのなんとかしてくれないかなぁ…
「おぃ、お前らうるさい。勉強の邪魔だ。」
冷たく低い声が聞こえて彩が振り向くと同じクラスの加賀太一(かが たいち)がむすっとした顔で見ていた。
出たよインテリ野郎…あたしに言わないでよ、抱きついて騒いでんの舞歌じゃない。
「あ〜太一ごめんねぇ!」
悪びれもなさそうににこやかに舞歌が太一に謝る。
太一は頭がよくこの塾の中でもずば抜けて優秀な人だ。
ルックスも良く一部の女子は好意を持つものもいる。
ただ少し変わっているので彼女は未だいない。
彩は太一に顔をグイッと近づけてジッと見つめた。
…ほーんと顔だけならあたしのタイプどストライクなんだけどなぁ。