『振り向かないで…』
兄上様
私には2歳年上の兄がいる。
【世界の中心で一度叫んで聞いてみたい】
少女マンガに出てくるような妹思いで、カッコ良くて、優しいお兄さんって
この世に存在してますか?
うちの兄は俺様がブームなる遥か昔から私にその存在を認識させた凄い人。
物心が付いた頃には彼の家来になっていた私……
名前を呼ばれて直ぐに駆けつけないと不機嫌になりネチネチと嫌味を言われる。
ケンカをしても体格で敵わないのは分かっている……
だからといって何も仕返し出来ないのは癪に障る。
私の取った報復とは……
ある真夏の暑い日。
外出先から戻って来た兄が先ず冷蔵庫に直行するのは分かっている。
そしていつも止めて欲しいとお願いしてるのに、直すつもりは微塵もないのか?
……直飲みをする。
今日も冷蔵庫のポケットから1.5ℓサイダーのペットボトルを取り出し、
予測通りに直飲みを開始……
そして一口飲んだ後にそれをコントみたいに吹き出した!
『あははーーやったー大成功♪プラカードを持って登場したいくらいだ!』