ありがとう

リュックがもう重くて重くて。

「なんでそんなにリュック下げてんのよ」

『下げてんじゃなくて、私がちっさくて下げてるようにみえんの!!!』

「あら、ごめんなさいね」

うざっ!!!

お母さん…のやろう…

「あー!!!ちはるー!!」


んー?

『あっ!美奈子ちゃん』

「なによ美奈子ちゃんて。
みなこでいいわよ!!」

『あ、なら美奈子で、どうしたの?』

「いや特にないけど。見つけたから」

あーっそゆこと

『まじか!ん!じゃ私帰るね〜』

みんなの前では私って言うけど
家族の前では、茅悠か私って自分の事を呼ぶ。

なんだろうね、これは。

「ばーいばーい」

そう言って手を振ってきた美奈子に
自分も振り替えした。


< 10 / 50 >

この作品をシェア

pagetop