ありがとう

教室に行けば
番号順に座っていく。

私は、3番だからすぐにみつけられた。

座っていると隣から視線を感じた。

ちらっとみてみると

サラサラの黒髪に高い鼻。
整っている顔が目に入った。

1分ぐらい見つめあっていると
自分から口を開いた。

『な、なんでしょうか。』

そう言うと目をそらされて

「別に」

少し低いけどまだ声の変わっていない
高めの声がわたしの耳に届いた。

『そ、そうですか』

「てか、敬語やめろよ」

そう言って少し笑う君に
私もつられて笑った

『うん、名前なんて言うのー?
私の名前は茅悠。稲垣茅悠』

先生がくる間はお喋り。

「ふーん、茅悠ね。茅悠…」

『そ、そう!あんたの名前は!』

「里島理玖」

『さとじまりく…?』

「うん」

『ん、よろしくね〜、理玖!』

「ん。」

そう言って少し笑った。




そんなことを喋っていると

先生が入ってきて

体育館に移動します。廊下に
番号順で並んでください。そういうと

みんなは一斉に
動き出した

『あわわわわ!!!』

転けそうになる私は誰かに
体を後ろに持ってかれた。

あれ。

いたくないぞ。

「危な。てかお前ちっさ。しかも軽っ」

は?え?

状態が把握出来ていない。

『…ん?なんで、理玖?』

「なんで、理玖?じゃねーだろうが
茅悠、お前今転けそうになっただろー?それを助けてやったんだ。感謝しろ」

なんでこんなに上からなの!?

数日前までは一緒にランドセル
背負ってたのに!!

違う学校だけど!!

『まあ…ありがと…う…』

「んっ」

そう言って私の腕を離した。

触られてたとこが凄く暑い。

それに、ちっさ って言われたことに
苛立ちを覚える。

139cm

牛乳が嫌いなのが悪いと思う。
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