ありがとう

「稲垣さんっ稲垣さんっ」

ビクッ

急に揺らされて
目を開ける

『ん…?』

「もうすぐで退場だよっ…??」

ガタッ

思いっきり立ち上がった。

あれ。

みんな座ってる?

みんな一斉にこっちを見てきて

私はゆっくりと座った。

「稲垣さん…ははっ何してんのっ?」

『いや……ちょっと…』

「あっ、下の名前なんていうの?」

あれ?これ喋っていいのか?

まぁいいか。
『茅悠です…』

「よろしくねっ!私、奈美子っ!」

『うんっ、よろしくお願い…します』

なんか元気な子だなぁ。

みなこ…ちゃん?だっけ。

「なんで敬語なの!?全然普通に
喋っていいから!!」

『あっ…うん!』

「ごきりつください!」

話の途中でそう言われて
退場をした。

教室に戻って

ちょこんと座っていると

となりから声がした。

「ちまちましてるな。茅悠」

『りっ…りりり…理玖っ!!』

さっきのことを思い出しちゃって
顔が真っ赤になっていく。

「んだよっ…お前顔赤くね?」

『は?!いや!?は!ななんもないし』

「なんもいってねぇけど。顔が赤いねって話してんのにね。何考えてんだろ〜なぁ」

男子っていっつもこんなこと言ってる気がする!!


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