いつか、振り向かせてみせます。




あと1週間ほどで5月になるとはいえ、まだ4月。
桜はまだ少し残っていて、青空にピンク色の花が映えていてすごく綺麗。


ちょっぴりお花見気分を感じながら菜々と一緒にお弁当を食べ終える。
お弁当箱を片付けると、私の様子がずっと気になっていたのか、菜々が本題をぶつけてきた。


「で?何があったの?いつも変だけど、今日のかえでは一段と変だよ?」


「んー、とりあえずいつも変っていうのは撤回してもらっていいかな」


いつも通りバッサリと物を言ってくる菜々に一応つっこんでから、私は今朝の先輩のことを話した。


「なるほどねぇ、そんなことがあったのか」


「どういうつもりで、先輩はあんなこと言ったのかなぁ?やっぱり、私がしつこくしたからいけなかったのかなぁ?」


「うーん、そんなことはないと思うけど……」


いくら考えても、私は柊先輩本人じゃないから、答えが出ることはない。
わかってはいるけど、望みの少ない片想いをしているわけだから、ネガティブな方向にばかり考えてしまう。


「やっぱり、諦めたほうがいいのかなぁ……」


ああ、もう。こんなに早く、くじけそうになっちゃうなんて。ダメだな、私。



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