いつか、振り向かせてみせます。

引退試合





6月になり、暑くなってきました。
夏の音を感じ始めた今日この頃。


「サッカー部の試合?」


「おう!今度の試合で、出させてもらえることになったんだ!」


昼休み。菜々と教室でお弁当を食べていると、西崎が駆け寄ってきた。
そして、いきなり「今度の試合、観に来てくれ」と言ってきたのだ。


「何で?いきなりどうしたの?」


「実はな、さっきサッカー部のミーティングで言われたんだけど、今度の先輩の引退試合で、2年生の俺がスタメンで入れてもらえることになったんだよ!」


「へぇー、すごいじゃん」


笑顔で話す西崎に、私はただ感想を述べる。


……ん? あれ?先輩の引退試合……?


「西崎、サッカー上手かったんだねぇ。先輩の中にひとりだけ2年生で入れるなんて」


「まあ、うちの先輩10人しかいねーから、あとひとりは必然的に2年生が入るんだけどな。でも、おかげさまで選ばれました♪」


菜々と西崎が話している中、私はひとり悶々と考えを巡らせる。


そういえば、運動部の人たちはもうすぐで引退の時期だよね。
柊先輩も、この前部活の見学に行った時、もうすぐで試合だって言ってたなぁ。その試合で負けちゃったら引退するってことなのかな。


そっか……。柊先輩、3年生なんだもんね……。



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