いつか、振り向かせてみせます。



そのあと、先輩は早退してそのまま病院へ向かった。
西崎がバスケ部の友達に聞いたみたいなんだけど、診察の結果、先輩は一週間は安静にと言われてしまったらしい。


一週間……。
試合は5日後……。


どうしたって間に合わない。
いくら最後の試合だっていったって、それで足を壊してしまったら、先輩だって笑って引退することなんてできない。


だけど、でも……!



『最後の試合なんだ、観に来てよ』



柊先輩の笑顔が、頭によぎる。


きっと、今まで誰よりも練習してきたはず。
私も2年生になってからは、その様子を近くで見させてもらっていた。


それが一瞬で水の泡になってしまったら、きっとどうしようもなく悔しいと思う。


西崎によれば、よっぽどひどい捻挫じゃなければ、痛みは三日もすれば引くらしい。


3日……3日は絶対安静でも、それで痛いのだけでも治れば5日後の試合にはなんとか出られるかもしれない。


でも、主将さんが柊先輩は試合には絶対出さないって決めちゃったし……。


私に何かできることはないかな……。



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