愛を知らない私



「まぁ、座れ。」



親父はそう言って、俺に促した。



だから俺はすぐ傍にあったソファーに
腰掛けた。


「で、話ってなんだよ?」


そう言うと、親父と兄貴が深刻そうな顔をして、
俺を見てきた。


なんだ……?
何か変な感じがする……


そんなことを思っていると
親父が口を開いた。




「麗飛。
お前には、杉浦財閥の娘さんと
婚約してもらう。」




ーー何て言った?

俺が誰かも知らない奴と婚約?


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