刹那
…
あたしが一日の大半を此処で過ごすようになったのは、高校一年生の時。
彼氏に浮気されて、別れた日。
それは、自分から告げた。
「別れよう」
アイツは冷たい目を見開きもせずにこう言った。
「あぁ」
不思議と涙が出なかった。
今まで愛していたアイツを、自分から突き放した。
次の日から、ベランダから離れられなくなった。
ただの、通りなのに。
何故か目が離れなかった。
歩く人から、空でさえも。
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