刹那
ユウ。
あなたには迷惑をかけました。
あたしは、酷い女なのに。
今でもこうしてメールをくれる。
あたしが返信しないことなんて、わかってるくせに。
―――――…
―――
それは、あたしが学校に行かなくなってから三ヶ月経って間もないころ。
「ミサ!」
ベランダの下からあたしを呼ぶ。
二階までの距離なのに、わざわざ大きな声で呼ぶの。
それは、あたしがあたしの名前を忘れないように。
“ミサ”を、消さないように。
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