神聖魔法団【下】
「ただいま」
私が言えたのはこれだけ。
何を言ったらいいのか分からなかった。
それなのにお母さんは
「おかえり、おかえり黎奈」
優しく微笑んでくれた。
その笑顔に安心したのか自分でも分からない。
きっと戦いの中で不安な事とか怖い事とか
そういうのが今まで積み重なって
全部全部崩れ落ちたのかもしれない。
私の目から涙がとめどなく溢れた。
これまでの自分が嘘のように。
「お・・母さ・・ん・・ッ」
強く強くお母さんに抱きついた。
ずっと怖くて不安だった。
苦しくて悲しくて辛くて・・・。
でも弱音を吐いたら自分が壊れてしまいそうで。
誰にも言えなかった。