神聖魔法団【下】
「うんうん。お母さんはここに居るよ」
強く。でも優しく私を包み込んでくれた。
その温かさにまた涙が溢れる。
今だけ、今だけで良いからこの優しさに甘えたかった。
不意に腰に感触があった。
視線を移してみると黎兎の腕があった。
お母さんと私。2人を包み込むような形で腕はまわされていた。
お母さんもビックリしているようだった。
「家族は喜びは2倍に悲しみは半分に。なんだろ?」
少し照れくさそうに言う黎兎。
その言葉はお父さんが言ってくれたもの。
なんだろ、また涙が溢れてきた。
お母さんも泣いていた。
「そうね・・・ッ・・」
「ったくよ、泣きすぎなんだよ」
そう黎兎は言っていたがその目には涙が溜まっていた。
私たちは寄り添うかのように、しばらくそうやっていた。