神聖魔法団【下】



黎兎side




「・・・ぐす・・ッ・・あら」




母さんが鼻をすすりながら黎奈の方を見て声をあげた。




「どうした?」



「見て、黎奈ったら」




微笑みながら黎奈を見つめていた母さんに続き俺も見てみる。




「・・・ふっ」



俺も小さく笑った。




すやすや寝息をたてて眠っていた。




天音みたいだなと思った。




「疲れたみたいね」



「だな。ったく俺たちだって疲れてんのによ」



「まぁまぁ。今こうやって寝顔が見れるだけで幸せよ」




「まーな。仕方ない、運ぶか」



「そうね。手伝うわ」



「いや、母さんも寝なよ。
寝てないんだろ?俺も黎奈運んだら寝るからさ」




「でも・・・」




「大丈夫大丈夫。黎奈ぐらい1人で運べるよ」



「そう?なら、お願いしようかしら」




「了解。それじゃあ、おやすみ」



「おやすみ」




母さんはそう言うと先に部屋に戻って行った。



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