神聖魔法団【下】
「どうした?」
すごく不安そうな顔をした母さんがいた。
「いや、黎奈こんなにも遅くなることなかったじゃん?
だから何かあったのかなって思って・・・」
母さんも心配なんだ。
気付かないふりをしてて本当は知りたくて仕方ないんだ。
「俺から話していいのか・・・。
黎奈が話してくれると思う」
俺が簡単に人に語って良いほどの事じゃない。
母さんには悪いけど、俺からは言えない。
「そう・・・。わかったわ」
母さんの顔を見るのは凄く辛かった。
「大丈夫だよ。黎奈のことだ、すぐに敵を倒すよ。
黎奈ならやれる」
自分に言い聞かせるように呟いた。
「そうよね。黎奈だもん。
私と綾兎の娘だもん。」
母さんもまた自分に言い聞かせるように言っていた。
「あぁ。ごめん、俺寝てくるわ」
「わかった。お母さんも寝てこよ~」
欠伸をしながら部屋に戻って行った。