神聖魔法団【下】
俺も部屋に戻った。
ベットに寝転がり、考える。
カイザー・・・。
俺が見た闇族・魔族の生き残りの名前。
多分、いや絶対アイツは黎奈を殺そうとしている。
そう考えるだけで怖い。
手が震えてきた。
両手をギュっと握り、震えを抑える。
黎奈が狙われている。
これは紛れもない真実。
俺は何が出来る?
ただ待つことしか出来ないのか・・・。
悔しい、悔しいけど、俺が出来ることがこれしかないのなら俺はそれをやるだけだ。
アイツが安心して帰ってこれるように笑顔で帰ってこれるように。
神様を信じるなんて柄じゃないけど、
この時だけ、頼るしかなかった。
「黎奈から笑顔を奪わないでください。
生きて戦いが終わりますように。」
そう小さく呟くと目を瞑った。