神聖魔法団【下】
「覚醒した時、黎奈はどうなるの?」
「魔力の強さにもよるが自分でコントロールが出来ないほどの強さだった場合、暴走する」
「・・・ッ・・・」
息を呑むのが分かった。
「暴走・・・」
「じゃあ、さっき言った俺たちが何もできないっていうのは・・・」
「黎奈を止めることが出来ないってことだ」
私が暴走する。
もしかしたら皆を傷付けちゃうほど暴走しちゃうかもしれない。
そうなったとき、私はどうすれば・・・?
皆をどれだけ守りたいと思っても自らの手で傷付けてしまう。
そんなの耐えられない。
「ねぇ、暴走しないためには何か方法とかないの・・・?」
「魔力を上手く制御できるほどの力をもつしかない」
涯はきっぱりと言った。