神聖魔法団【下】
「あははは」
苦笑いしかでない。
「涯から全部話は聞いてるよ」
「黎兎のことですか?」
「ふふっ、それもあるけど
戦いのこととか」
廉さんの表情が曇った。
「あ、そうなんですか・・・」
なんて返せばいいのか分からない。
「最初、涯から話を聞いた時ビックリした。
信じたくなかった。でも、魔法を使われた時嫌でも信じなきゃいけなかった。」
誰かに話すこともなく独り言のように呟き始めた。
「辛かった。
いつか戦いに巻き込まれる日が来るなんて思いたくなくて、このまま来なきゃいいのにって何度も思った。
でも、その願いは叶わなかった。
戦いに巻き込まれる日が続いて、時々ボロボロになって帰ってきて。
いつか死ぬんじゃないかって、俺の前からいなくなるんじゃないかって。
ずっとずっと思っててさ」
廉さんの思いが強く私に伝わってきた。
「でも、アイツ家に帰ってきたとき言うんだよ。
“仲間のおかげで今日も帰ってこられた。アイツらに出会えて良かった”って。
俺1度でいいから会ってみてくて。涯の仲間に。
だから、今日眠たくてもここに来たんだ。黎奈たちに会いに。」
「廉さん・・・」
「会えてよかった。思った以上に最高な人間だった。
涯を任せられる。そう思った。」
「そんな。私たちもいつも涯に助けられてます。
それに私たちは涯より年下です。いつも救ってもらっているのは私たちの方です」