神聖魔法団【下】
「年なんて関係ないよ。
それぞれの人間性なんだから。黎奈たちは大人だね。」
大人な廉さんに言われてもな・・・。
「まぁでも涯が1番心配しているのは黎奈みたいだけど」
「え、私ですか?」
「危ないことをやっているみたいだね。
大怪我をする可能性が高いこともやっているとか?」
「・・・あははは。涯って本当に全部話しているんですね」
ここまで話されていると何聞いても知ってそう。
「話しているっていうか俺が聞いてる?
どんなことがあったのか知りたくてさ」
「なるほど。まぁ知りたくなるのも無理はないですけどね」
黎兎も聞いてくるから待ってる側としては気になるんだろう。
そこで一旦会話が途切れる。
言葉をかけようと何度か口を開きかけたけど
廉さんの寂しそうな横顔を見ていると変に言葉をかけられなかった。
波の音が微かに聞こえる。
ゆっくり廉さんが私の方を見た。
悲しげに揺れる瞳が私の瞳と交わる。