神聖魔法団【下】
「廉さん・・・?」
見ているのも辛い。
どうしたんだろう?
「涯はさ、黎奈を命を張ってでも守るって言ってたよ。
ねぇ、今度戦うヤツって強いの?
みんな生きて帰れる方法はないの?やっぱ犠牲が必要なの?
俺、涯だけは失いたくないんだ。たった1人の弟だから・・・。
って、こんなこと言ったらダメだよね。他の皆がどうでもいいって言ってるようなもんだね。ごめん」
「そんなことないですよ。家族を失いたくないって思うのは当然の事ですし。
そう思うのは当たり前の事だと思います」
それだけしか言えなかった。
変に期待させるようなことなんて言っちゃダメだから。
「そっか。ありがとう」
悲しそうに微笑む廉さんを見ていられなくて咄嗟に言ってしまった。
「大丈夫です。私が皆を守りますから。
絶対に誰も死なせません。這いつくばってでも守ってみせます。
確かに犠牲が必要になる時があるかもしれません。
でも、もしそうなったとき犠牲になるのは私ですから。
だから安心してください」
「黎奈・・・」
あ、ヤバい。
自分の中で決めたことを言っちゃった。