神聖魔法団【下】
「ふふっ。あははは!」
「ん?」
廉さんが突如笑いだした。
え・・?
「兄貴、どうした?」
「い、いや。黎奈が、表情、コロコロッ、変えるから・・・ッ。
面白、くて・・・ふふっ」
「えっ」
私を見ながら目尻に溜まった涙を拭う廉さん。
そんなに笑わなくても・・・。
「いいね、賑やか。
黎奈、大切にするんだよ?」
「・・・ッ」
皆は何の事だから分からないような表情をしていた。
大切に。か・・・。
確かにそうだよね。
「黎奈、廉さんと何かあったのかよ?
怪しい・・・」
「ううん。何にもないよ」
これは私と廉さんにしか分からないこと。
大切にするよ。
答える代わりにニッコリと微笑んだ。